今回の東京ラーメンレポートは
“ミシュラン & TRY” W掲載の
らぁ麺 すぎ本 さんをお届けします!!!
らぁ麺 すぎ本 は『ラーメンの鬼・故 佐野 実氏』のお弟子さんが2013年に鷺ノ宮で開業したラーメン店。
開業の翌年には、
“東京ラーメン・オブ・ザ・イヤー(以下 TRY)” にて新人賞部門に入賞し頭角を現す。TRYではその後『名店部門』で入賞を重ねて2017-2018年の最新刊でも『しょう油、しおの2部門』で掲載されています。
“ミシュランガイド東京”に登場したのは2017年版から。『ビブグルマン部門』に掲載されて見事に “ミシュラン店” への仲間入りを果たす。ミシュランガイド東京には翌年の2018年版にもそのままスライド掲載されています。
“ミシュランガイド” において従来の星(三つ星・二つ星・一つ星)の評価からは外れるものの、安くておすすめできるレストランを集めた部門。
ちなみに・・・
“ビブ” はミシュランのマスコットキャラクターの愛称、“グルマン” は食いしん坊といった意味だそうです。
▼主な受賞歴をまとめました▼
●ミシュランガイド東京
2017年版、2018年版と2年連続で
『ビブグルマン』部門に掲載!!
●TRYラーメン大賞
(東京ラーメン・オブ・ザ・イヤー)
<2014-2015年版>
〜TRY新人賞部門〜
しょう油部門入賞、しお部門入賞
<2015-2016年版>
〜名店部門〜
しお部門入賞
<2016-2017年版>
〜名店部門〜
しょう油部門入賞、しお部門入賞
<2017-2018年版>
〜名店部門〜
しょう油部門入賞、しお部門入賞
実に素晴らしい経歴です!
ここまで見てきた経歴に加え、口コミサイトの高得点から、このお店のラーメンが『かなりの完成度』に到達していることの想像は容易い。
しかし当サイトはこのお店のラーメンの『さらなる進化』の可能性を発見することに成功!! 現場でつぶさに観察した、
『生のレポート』をご確認ください!!
●西武新宿線
“鷺ノ宮駅 北口” 徒歩1分
※画像は全て拡大できます。
鷺ノ宮駅”は、
西武新宿線の駅で中野区の最西端に位置する。急行が停まり『西武新宿駅までわずか11分』というとても便利な駅。
駅前は急行停車駅と思えないくらいにコンパクト。商店が数店並んでいるものの、すぐ周りには住宅街がせまる。
今回のお店『らぁ麺 すぎ本』さんは、この駅の北口から西に1分ほど歩いた住宅街の中にあります。
鷺ノ宮の地名の由来を調べてみると、
この地に建立された八幡神社に『鷺が多く生息していた』事に因るらしい。
“鷺”のいる “お宮” で鷺ノ宮。
気が抜けるほどにストレートなネーミングですね(笑)。
※画像は全て拡大できます。
すぎ本 さんに到着です!
“落ち着いた” 趣(おもむき)のファサード
黒塗りの大看板に、町家(まちや)
祝日の14時15分の到着で
先客6人、空席3席
並ばずに入店出来ました!!
かなりの人気店との事だったのでランチのピークを避けたのが功を奏す。この日は小雨がちらついていたのでその影響も大きかったのだろう。それでも筆者が座った直後に満席になり外待ちが発生していました。訪問の際には、ある程度の行列を折り込んでおく事が賢明でしょう。
●入口付近から道沿いに並ぶ
▼見取り図をつかって解説します▼
赤の数字①を先頭として並びます。
1) 店内待ちは出来ない
2) 外待ち発生時はまず列に並ぶ
3) 店員の案内で入店し券売機で食券を購入
4) カウンターに着席する
●券売機で食券を購入する
食券を店員に渡して着席します。
『ラーメン・つけ麺』の2種類で、それぞれ『醤油と塩』がある。
【らぁ麺】
醤油らぁ麺・・・750円
醤油 味玉らぁ麺・・・850円
醤油 ワンタンらぁ麺・・・950円
醤油 チャーシューらぁ麺・・・1000円
醤油 特製らぁ麺・・・1000円
塩らぁ麺・・・750円
塩 味玉らぁ麺・・・850円
塩 ワンタンらぁ麺・・・950円
塩 チャーシューらぁ麺・・・1000円
塩 特製らぁ麺・・・1000円
<各種 らぁ麺 大盛 + 150円>
【つけ麺】
醤油つけ麺・・・800円
醤油 味玉つけ麺・・・900円
醤油 ワンタンつけ麺・・・1000円
醤油 チャーシューつけ麺・・・1050円
醤油 特製つけ麺・・1050円
塩つけ麺・・・800円
塩 味玉つけ麺・・・900円
塩 ワンタンつけ麺・・・1000円
塩 チャーシューつけ麺・・・1050円
塩 特製つけ麺・・1050円
<各種 つけ麺 大盛 + 100円>
【トッピング】
名古屋コーチン味付玉子・・・100円
ワンタン(2個)・・・100円
ワンタン(4個)・・・200円
チャーシュー・・・250円
特製トッピング・・・250円
【ご飯もの】
名古屋コーチン玉子かけご飯・・・250円
チャーシューご飯・・・300円
【お飲みもの】
アサヒスーパードライ(中瓶)・・・500円
キリンラガー(中瓶)・・・500円
※2018年1月現在の情報です。
●カウンターはL字の 9席
カウンター席は、その日のオペレーションにより『8席から10席』の間で調節されているようです。
▼店内見取り図を作成しました▼
※画像は全て拡大できます。
“シンプルで小綺麗” な店内
店内は落ち着いた印象です。
ダークブラウンの木製L字カウンターはスッキリした印象で、最小限の卓上アイテムが備えられている。
ご主人と助手の2名体制
丁寧な仕事をされています。特にご主人は厨房の作業をテキパキこなしながら常に外待ちの客にも気を配り、頻繁に外に出ては案内していた。これはいつも思う事だが人気があるお店の共通点は、味はもちろん『ホスピタリティの高さ』が重要なキーである気がする。
やたらと広いバックヤード
カウンターの背後に部屋を一つ発見。引き戸の窓からチラッと覗いてみるとバックヤードのスペースのようだ。しかし、倉庫にしては広すぎるような気がするなぁ。。。
このスペースに関しての考察は後ほど『まとめ』の項にて!!
卓上調味料は “ブラックペッパー” のみ!
調味料が1つしかないのは、店主の『味に対する自信』の現れでしょうか。ちなみに筆者はラーメンにはコショウを “かけない派” です(笑)。
筆者のカメラが変わりました
私事で恐縮だが、ラーメン撮影用のスマホを変えました。今までは『iPhone 6s』を使って撮影していましたが、前回の『サクジ事件』を機に『HUAWEI(ファーウェイ) P10』に変更。ライカとの共同開発のデュアルレンズにより薄暗い場所でもクリアに撮影可能。“ピンぼけによる撮り直し” が無くなって記録時間が大幅に短縮される。。。ハズだった。しかし、使い始めたばかりで効果的な使用方法が分からず、上の卓上調味料のような情けない写真しか撮れなかったのだ(泣)。撮影のクオリティUPと時短の模索は続く。
らぁ麺 すぎ本さんの
“醤油 特製らぁ麺 1000円”
ミシュランガイドでオススメされていた醤油らぁ麺に特製トッピングが乗った『醤油 特製らぁ麺』をセレクト。
TRYで “4年連続ランクイン” と評価の高い『塩らぁ麺』も捨てがたいが、初訪問ならやはり基本の醤油を試したいところ。頻繁には来られないという理由からトッピングを特製にしました!!
特製トッピングが “豪華”
『チャーシューは豚2枚と鶏1枚』『ワンタン2個』『名古屋コーチンの味玉』『長い穂先メンマ』『九条ねぎ』これでもかと言わんばかりの豪華な内容。ラーメン1杯1000円は結構な奮発でしたが、この内容ならむしろお得かもしれない!!
では、いただきます!!
◎ココがポイント!!
キレのある醤油スープが現代的な雰囲気!!
カエシには、和歌山産の生醤油など5種類の醤油を使用。
スープはまず、その見た目の『醤油黒さ』にハッとする。5種類の醤油をブレンドしたというこだわりのカエシは “クッキリ” と醤油の輪郭を感じる味わいでキレがある。これだけ色が濃いとしょっぱいのかな? とも思ったが、飲んでみると心地良い “ジャスト” な塩加減だ。
◎ココもポイント!!
バランスに優れた多重奏スープ!!
出汁は、鶏を主体として、豚、節系、魚介を加えた複合出汁。
スープは出汁感が分厚い。ベースは鶏のようだが、それ1本に偏ることなく、複雑な多重奏のように旨みを重ねる。これにより飲み口はスッキリだが、まったりした後味と濃厚な余韻を同時に楽しめるスープとなっていた!!
麺は、全粒粉配合の
“低加水 細麺ストレート”
(麺量 145g / 麺屋棣鄂)
京都の製麺所『麺屋棣鄂(ていがく)』製の特注麺。筆者は知りませんでしたが関西ではかなり有名な製麺所で、大阪を中心に “名店” と言われる多くのラーメン店で採用されているそうだ。
◎ココがポイント!!
“パツッ”とした歯切れと滑らかなのど越し!!!
パツパツした歯切れにツルッとした滑らかなのど越し。全粒粉を使用していて小麦の香りも高い。そして、キレのある醤油スープを毛細管現象でグイグイ引き上げていく!!
ミシュラン系らしい繊細な麺
なるほどミシュランが好みそうなトレンドのど真ん中を行く麺です。繊細な食感と小麦の風味が言うこと無し!
しかも繊細な麺にありがちな『のびやすい』という弱点を克服している!!
ミシュランで紹介される醤油の名店の多くは、低加水且つ細くて繊細な麺を使用しており食べ終える前に“のびて”風味が損なわれる印象が少なからずあった。すぎ本と麺屋棣鄂が開発したこの麺はその課題を見事にクリアしていました。
これは新時代を予感させる
進化系の麺だ!!!!
贅沢なチャーシューたち!!
豚チャーシュー × 2枚
まず見た目が美しい。上質な豚ロースを使っているようで、カットされた断面はまるで『滑らかな霜降り肉』のようなルックス。
そして味わいも素晴らしい。赤身と脂身のバランスが良く、肉の旨みと香り、脂身のほんのりとした甘みが楽しめます!!
鶏チャーシュー × 1枚
鶏むね肉を丁寧に低温調理したチャーシュー。肉質はキメこまやかでほとんど繊維質を感じさせない。噛んでみると少し抵抗を感じてすぐに歯が通る絶妙のやわらかさ。旨みもしっかり閉じ込められています!!
ワンタンがスープを、
持ち上げまくる!!
ワンタンの皮はジューシーで “ちょうど” のトロけ具合。やや小ぶりではあるが、
ワンタンの餡自体にも生姜が利いていて、良いアクセントになっていました!
長ーーーっい!
穂先メンマ!!
メンマは15cmに届こうという超ロングサイズ! しかも穂先のイイところを使っています。
味付けは薄味でタケノコ本来の食感と風味を残している!
『食材の良さを引き出そう』とする店主の姿勢を象徴するような具材でした!!
名古屋コーチンの味玉は
“とろーっ”と濃厚!!
味玉をレンゲに乗せて箸で慎重に割る。中から『とろーっ』と黄身様のお出ましで期待通りの茹で加減!! ブランド鶏の『名古屋コーチン』を使っているという心理的な影響を差し引いても、かなりの上物だ! 黄身の風味がとても濃厚。
すぎ本の具材に共通する特徴だが、
たまご本来の素材感を活かすために味付け自体は薄味になってます!!
『ご馳走さまでした』
なごりを惜しみながらの完飲完食!
贅沢なラーメンだった!!
これだけは言っておきたかった (笑)
らぁ麺 ウマすぎ本!!
という事で、
すぎ本の特徴については本文で書ききった感があるので『まとめ』では話題を変えたいと思います。
ここからは前述の『席の配置・内装』の項で触れた “やたらと広いバックヤード” について記述します。
この話題を進めるにあたって、
まずは『らぁ麺 すぎ本』店主の師匠である、故 佐野 実氏について筆者が(テレビやネットを通じて)
俺は常に味を変えている!
『ラーメンの味は変えていかないとダメ。俺は、常連客にも分からないぐらいに少しずつ常に味を変えている。』ラーメン店のあるべき心構えの一つとして発言していた。(過去のテレビインタビューより引用)
麺は自家製であるべきだ!
『スープは自分で作るのに麺はなぜ作らないのか?』(新横浜ラーメン博物館のHPより引用) ほとんどのラーメン店が製麺所に麺を頼んでいた当時からいち早く製麺機を取り入れて小麦の産地にもこだわった自家製麺を使用していた。
▶広いバックヤードは、
製麺所にする予定では?
これは筆者の憶測に過ぎないが、広いバックヤードスペースは将来的に『自家製麺の製麺所』にする予定かもしれない。そう思った理由は上記の “師匠・佐野 実氏” の2つの発言で説明できる。
まずは『エピソード①』について
佐野氏はラーメンの鬼と言われる程、ラーメンについては他人にも自分にも “鬼のように” 厳しかったそうだ。その情熱は『朝から晩までラーメンの事しか考えていなかった』という奥さんの発言からも想像できる。
『人の好みは変わっていくものだから』ということで『食材や製法を常に研究して味をブラッシュアップする』という師匠の考えは、すぎ本のご店主も忠実に実行しているように感じた。
そして『エピソード②』について
ラーメンのブラッシュアップのスタンスなど、師匠・佐野 実氏の影響を大きく受けていると思える “らぁ麺 すぎ本”。そのことを加味すると『将来的に自家製麺』を導入するのは、ごく自然な流れではないだろうか。
しかしこれは、いち “すぎ本ファン” としての筆者の『希望的観測に過ぎない』ことを改めて申し上げておきます!!
既にトップクラスのレベルに達していると思える、すぎ本のラーメン。
お店のバックヤードに、
さらなる進化の可能性を見た!!!!
さて次回の東京ラーメンレポートは、
鶏白湯の有名店!! “虎の穴”ならぬ
“鶏の穴 (とりのあな)”
のレポートをお届けします!
ぜひご期待ください!!!
住所:東京都中野区鷺宮4-2-3
営業時間:
11:30〜15:00/18:00〜21:00
(月曜は昼のみ)
定休日:
火曜(祝日の場合、翌日休業)